山田のアイドル評Part2~日本のアイドルと韓国のアイドルの違い~
現代において日本のアイドルと言ってすぐに思い浮かぶのは、女性だとAKBの系列、坂道、ハロプロ、男性だとジャニーズでしょうか。韓国のアイドルと言えば女性だと少女時代、TWICE、BLACKPINK、男性と言えば東方神起、BTS、SEVENTEENとかでしょうか。
ではいくつかの要素に分けて論じていけたらと思います。。。
- パフォーマンスの完成度
- 個人個人のアイドルとしての力
- お金のかけ方
- グローバル化
- メンバーそれぞれの役割の明確化
他にもいろいろあるでしょうが、今回は私が最も大きな差を感じているこの5つについて語っていきたいと思います。。。
1.パフォーマンスの完成度
(私がここで言う完成度とはダンス、歌、ラップのレベルの高さやそれらがいかにシンクロしているかということを言っているのであって人の心を打つものかどうかというとまたそれは別の話です)
韓国のアイドルに共通して言えることはパフォーマンスの完成度が高いことです。はっきり言って日本のアイドルとは段違いです。
あの秋元康先生はプロ野球と高校野球という比較をされていましたが、私はメジャーリーグとリトルリーグぐらいの差があると思います。
最近日本のアイドルが韓国アイドル御用達の振付師による楽曲を出したり、ダンスの難易度を上げた楽曲を出すことも増えてきましたが何年もの練習生生活を送った韓国アイドルにかなうわけがありません。
一糸乱れぬダンスや素晴らしい声量を誇る歌声、時には圧倒的なカリスマ性を感じさせるラップなど男性女性問わず、韓国アイドルのステージには毎度感服させられます。
まとまったステージのためにある程度の制限の中でアイドルたちは表現していかなくてはなりませんが。JYPのパク=チニョンが『グループ活動には自分を良く見せる前にグループを良く見せることを考える自己犠牲が必要だ』と仰っていました。
韓国のアイドルファンはアイドルに対し完璧な姿を求めているので、デビューステージから新人とは思えないオーラで登場してきます。
日本のアイドルはどちらかと言えばダンスがずれていても、音を多少はずしても見ていて気にする人はそんなにいないし、言ってしまえばファンも完成度の高いステージを求めているわけではないのです。
その分ステージに自由があります。自分の表現したいように表現できる自由があります。自己犠牲の精神はあまり感じられません。
日本の場合、アイドルとファンが一緒になってワイワイ楽しめる場所としてステージがあるのです。そして共に成長していく場でもあるのです。
パフォーマンスの完成度については韓国アイドルに軍配を上げざるを得ないでしょう。。。
2.個人個人のアイドルとしての力
前述のとおり、ダンス、ボーカルなど長い間練習し努力しなければ身につかないスキルについては日本のアイドルはかないません。
ではアイドルに求められるものは何か。もちろん1つではないですよね。ビジュアル?ダンス、歌の実力?カリスマ性?スター性?はたまたファンに寄り添う親近感?
これも両国で求められるものが異なると思います。
共通して言えるのはビジュアルやスタイルなど容姿に関することでしょうか。(日本と韓国の表すかわいいが異なるにしても)かわいい、美人、足が長い、かっこいい、背が高いなど容姿が優れていればその分ファンがつきやすく、活動の上で有利と言わざるを得ません。
ではそれ以外で笑
最近日本ではアイドルのマルチ化が盛んです。
ドラマや映画での俳優業だけでなく、バラエティー番組のレギュラーとして芸人さんやタレントさんにまじってアイドルがタレントとしての面を見せたり、大学卒という人も増え報道番組のニュースキャスターをしたり、芸術的センスを生かして個展を開いたり、文才を生かして小説を書いたり……
もちろん韓国のアイドルもたくさん俳優業をしたり、バラエティーに出演していることは存じ上げていますが、マルチ化に関して言えば日本のアイドルには危機感があるように思います。
日本は韓国ほど音楽番組が多くなく、テレビで歌を披露できる場が限られています。
アイドルが自分自身を知ってもらう入り口としてバラエティー番組は今では欠かせないものになっています。となると、そこにはトーク力が必要不可欠になってきます。そして、徐々にプライベートを切り売りしていくようになりました。そこに生まれるものは親近感です。
最初のうちは良くてもイケメンだから、かわいいから、アイドルだから、という理由だけではぬるいトークはバスバスカットされますし、それでは許されなくなります。
今日本で必要とされるアイドル像では従来の要素に加えトーク力や周りと被らない強烈なキャラクターが欠かせなくなってきていると思うのです。
アイドルのマルチ化で『私こんなことできます』『僕こんな資格持ってます』みたいな人が増え、個性みたいなものが重要視されかぶっていたりすればより面白いほうが残り、そうでないほうは淘汰されていくという構図がはっきりしてきました。
楽曲が良い悪いうんぬんの前にその人が面白いかどうかということが日本では大切なのです。
そしてテレビに多く出ることで人々の生活の一部と化し、ファンと心の距離を近づけているように感じます。
韓国のアイドルは親近感よりもスターであることやカリスマ性、誰にとっても憧れの的であることが求められているように感じます。
アイドルは何年間も続く厳しい練習生生活で不断の努力が必要なので誰にでもなれるものではないアスリートのような存在と同じものだという認識が韓国にはあるような気がします。
距離感で言えば韓国のアイドルのほうが遠いのではないでしょうか。
韓国でもアイドルの高学歴化が進んでいるそうですね。韓国アイドルは国内だけでなく、日本をはじめとした海外でもデビューさせることを想定しているので自国の言葉だけでなく、日本語、英語、中国語などを話せるバイリンガルはもはや珍しくありません。
しかしそれはアイドル業をより拡充するために必要なことです。
日本ではアイドルとしての仕事をするためにマルチ化が欠かせません。
韓国ではアイドルで居続けるために練習を続けるのです。
アイドルとしての仕事の需要が韓国ほど日本はないのが現状です。
アイドルとしての力は2つの国で求められるものがまるで違います。
極端に言えば、日本では個性、韓国では実力とスター性です。
どちらもアイドルとして成功するには大変熾烈な席の奪い合いですね。。。
3.お金のかけ方
韓国ではデビュー前に練習生時代があり、もちろん事務所がお金をかけて寮生活をさせ、また様々な教育をしています。
歌とダンスはもちろんのこと、語学やスターとしての心構えを説く道徳的な授業もあるそうです。
それだけだはなくより広く逸材を探すためにグローバルオーディションを開催する事務所もあります。
あの少女時代は一人発掘するのに2億円かかったと言われているほどまずデビューするまでのお金は惜しまず新人を発掘し、育成しているのです。
そしてよりわかりやすいのがデビュー後です。韓国のアイドルは音楽番組が多くても毎回違う衣装を着ています。日本のアイドルは決まった衣装をその曲その曲で着ていることが多いです。
ただ、私はMVのクオリティーの差がとても気になります。
韓国アイドルのMVは世界中の人に届けることが前提となっているので一つの映像作品として凝っているなと感じざるをえません。
衣装も最低一人当たり5、6パターンはありますし、セットも個人のものを含めると数えきれないくらい変わっています。(JENNIEちゃんのSOLOに至っては20パターンくらいありました)
それに比べると日本のアイドルのMVは衣装パターンが2つくらいで豪華さには欠けてしまいますよね。韓国のものと比べてしまうと低コストで済ませている感じが否めないです。笑
まあ、世界中を相手にビジネスしているのであれば、お金をかけてでも存分のクオリティーを目指しますよね。。。
4.グローバル化
日本の音楽市場の大きさはアメリカに続き第二位です。日本のアイドルは日本で売れればそれで十分なので特別な世界戦略は不要です。
一方、韓国は音楽市場が小さいので、アイドルのデビューも海外デビューを前提としています。
そして前述のとおり、韓国のアイドルがバイリンガルであることは今はもはや珍しくありません。海外デビューしてもその国の人とコミュニケーションが取れなければその国で売れることは本当に難しいことだと思います。。。
世界に通用して、グローバルアイドルになることが良いことかどうかは一口に言えないですけどね……
5.メンバーそれぞれの役割の明確化
ここについては『Produce48』を見ている時にグループ課題でセンターを決めるときの韓国と日本の練習生の温度差を感じはっとさせられました。
日本はみんなで楽しく楽曲を披露しているので、センターが誰とかはっきり言ってどうでもいいのです。センターと言えば、ただ真ん中に立つことが多くてその曲の中で一番目立つ存在くらいにしか認識していないのです。
アイドルをやる以上、目立ちたがり屋が多いでしょうから、センターに立ちたいという子は多いと思います。ただ、日本の子の場合、センターをやるために特別に何かアピールしなければならないなら別にセンターじゃなくてもいいやぐらいにしか考えていないでしょう。
日本ならではのなれ合いの文化とでも言いましょうか。AKB48のような大所帯のグループは別にしても日本のアイドルの楽曲において『この曲のセンターは誰ですか』という質問に即答できないことが多いです。
日本はみんなで横一線みたいな、みんなで仲良くみたいな考え方が根深く浸透しているように思います。
そのせいで曲においてダントツ目立つ人、目立っていない人が出ないようにうまい具合に各々に見せ場があります。
韓国のアイドルはステージを一目見ただけで誰がセンターなのかすぐにわかります。
また、メインボーカル、メインダンサー、メインラッパー、リードボーカルなどそれぞれがはっきりとした役職を担っていますし、見ているこちらにも伝わってきます。
サビでの歌割も日本のアイドルはメンバー全員で歌っていることがほとんどです。
韓国ではほとんどの場合、どこのパートも一人で歌っています。
良くも悪くも目立つ人とそうでない人の差がよくわかります。
役割を明確化させるということは自分のの目立つべき場所はどこなのかを見出し、考え表現しなければなりませんね。。。
まとめ
長々比較はしましたが、だからと言ってどちらのほうが良いのか、優れているのかということは人それぞれ違います。
私は日本のアイドルが大好きですし、韓国のアイドルももちろん好きです。
両者、それぞれに良いところがあるからこそどちらにも熱狂的ファンがついているのです。
これからも日本、韓国のアイドルを見続けていきますよー!
ではでは≡3